スイーツな関係
「麗香さん、送って行きますよ。お連れしたのだからひとりで帰すわけないでしょう」


いえ、ひとりで帰りたいのです。


気になるのは遥人ばかり。きっと誤解しているよね。早く話さなきゃ。


「本当に大丈夫なので、八木社長はまだ楽しんでいてください。失礼します!」


やんわりと笑みを浮かべ、その場を離れた。


遥人を見つけなきゃ。


人々の間を縫うように移動すると、遥人は先ほどの女性とシャンパンを片手に笑っていた。
その笑みにガラガラと積み木が崩れていくような感覚を覚える。


私がプロポーズをされたのに、遥人は連れの女性と楽しそうに笑っている。


私のことなんて、これっぽっちも気にしていないの?


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