スイーツな関係
散らばった中からカギを見つけた彼はドアを開けてくれる。


ドアが開くと、壁づたいに部屋の中へ入る。
彼も付いて来てくれるかと思っていたのだが、気配がしない。
振り返ると彼は玄関に立ったままだ。


「どうしたんですか?」
「君は知らない男を部屋にあげるの? ひとり暮らしなんだろう?」


玄関に女物のヒールしか置かれていないのを見て、ひとり暮らしと考えたよう。


「知らない男じゃ……ないわ。お茶を飲んで行って下さい」
「いいよ。上がらずに帰る。じゃあ、大事に」


信じられないっ!
彼は帰ろうとしている。


「待って!」


思わず駆け寄り、引き留めようと彼の腕を掴んだ。

彼の視線が私の顔から捻挫をした右足首に移る。


そこで「しまった!」と顔が一気に青ざめていく。


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