スイーツな関係
友人の前だからか、麗香は遠慮したように質問攻めの友人に俺を任せている。
麗香の友人は積極的に話す2人と、なぜか俺の顔をじっと見ている女の子が1人。
その子が突然、俺の名前を呼んだ。


「谷本さん!」


俺は真剣な表情の彼女を見て、小首を軽く傾ける。


「あ、亜希どうしたの?」


麗香が聞いた。


「亜希ちゃんって言うんだ。よろしく、亜希ちゃん」


俺はにっこり笑みを浮かべた。
しかし、彼女の表情は硬く笑顔がない。
そして、思いがけない言葉が……。


「谷本さん! 麗香だけを見てください!」
「ちょ、ちょっと、亜希っ」


突然の友人の発言に、麗香が慌てている。
彼女の元へ飛んでいき、口を塞ぎそうな勢いだ。


< 332 / 512 >

この作品をシェア

pagetop