スイーツな関係
今晩はありったけの自制心をかき集め、麗香を抱きしめて眠りたい。
そう思っていたが、すぐ近くに彼女がいると思うと本当に何もしないで眠れるのか……俺は自問自答しながら、つい抱きしめてしまった。


唸りたいのを押さえて、腰から手を離す。


「その姿は魅力的だけど、今日はこのまま寝よう」
「え……」


このまま抱き合う……麗香は期待してくれていたのだろうか。
振り返った面食らったような顔に、思わず口元が緩む。


「期待外れだった?」
「そ、そんなことっ……」
「麗香が欲しいけれど、今日だけは麗香を抱きしめて眠りたい」
「遥人……」
「自制する自信はないんだけどね」


こめかみにキスを落としてベッドに入るように言う。


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