スイーツな関係
「……安心していいよ。ふたりは恋人同士じゃないから。番組の取材で俺が紹介したんだ。そういえば、近いうちに会うって言ってたよ」


「本当に? 本当にそうなの?」
「ああ。麗香の取り越し苦労だったね?」
「もうっ! テレビ局の控室で操さんを見た時、本当に気を失うかと思ったわっ!」


なんだ。そういう事だったのね。

心配事がなくなり、ホッとしながらも、自分がバカみたいだったと情けなくなる。


「もしかして、2人の事を考えていて火傷した?」
「それは違うわ。油にいれた海老が跳ねて、びっくりして入れようとしていた白身のお魚を上から落としてしまったせいで」
「あぁ。ちゃんと尻尾の水気をとらなかったんだね」
「そうみたい……油が怖くて、おっかなびっくりやっていたのもいけないんだと思う」


そこへあつあつの鍋焼きうどんが運ばれてきた。
蓋をしているのにぐつぐつと煮えている音がする。


店員がふたを開けると、美味しそうに色づいたうどんが食欲を誘ってくる。


「おいしそう」
「取り分けようか?」


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