スイーツな関係
「いいの。このまま食べるのが好きなの」
「わかるよ。冷まさずに食べるのがうまい」
「うん。いただきます」


私は慎重にフォークで味のしみた麩を口へ運ぶ。


「あ、はふ、っ……あつい!」


身長に口の中へおうどんを入れたはずなのに、熱くて急いで水を飲む。
そんな私を見て遥人が笑う。


「口の中まで火傷しないように気をつけて」
「ん……熱かった……」
「やっぱり小皿に取り分けようか」


遥人は小どんぶりに腕を伸ばそうとする。


「大丈夫。遥人って、世話好きなのね? 出会った頃とは大違い」
「まあね。姉のいる弟って、けっこう世話好きなんだよ。特にうちの姉貴は何もやらないから」


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