スイーツな関係
朝日の入るリビングのソファに座っている俺に近づいてくる。
ふんわりとコーヒー豆の香ばしい香りが漂う。


「はい」


笑みを浮かべながらマグカップのひとつを俺に渡し隣に腰掛ける。


「ぼんやりしていたみたいだけど?」


俺の顔を覗き込む麗香の長い髪がふんわり揺れる。


「考え事してた」
「悩みがあるの?」


キレイに弧を描く眉根が微かによる。


「麗香は悩み、ある?」
「もうっ、はぐらかさないで」


俺を睨み、軽く肩を叩く。


「ちょ、コーヒーが零れる」


俺はマグカップをテーブルの置き麗香の肩を抱き寄せると、髪に唇をあててから、麗香の両頬を両手で囲む。


< 412 / 512 >

この作品をシェア

pagetop