スイーツな関係
「麗香、いつ結婚してくれる?」
「えっ……」
「夢が叶ったら、結婚する約束だろう?」
「そうだけど……」
「なに? 気乗りしない? 俺と結婚する気がなくなった?」


麗香の思いもよらない反応に俺は問い詰めるように聞いていた。


「そ、そうじゃなくて」
「そうじゃなくて?」


俺は内心焦りを感じた。


「そうじゃなくて、私も新しいブランドを起ち上げたばかりでしょ? 今は仕事を頑張りたいの」


麗香は半年前に自らデザインした服をショップに出し始めた。
自分のデザインが徐々に売れることで、仕事にやりがいを見出し夢中になっている。
同棲してもあまり時間を取ってあげられなく悪いと俺が勧めたのだが、今では麗香の方が多忙な日常を送っている。


「お願い、もう少し……ねっ?」


もう少しが、どのくらいの期間になるかはわからないが麗香の甘える笑みに俺は肩をすくめた。


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