スイーツな関係
＊＊＊＊＊＊


「う～」


腹部を押さえながら、気分の悪さに呻いてしまう。


タクシーに珍しく酔ってしまい、胃が暴れている。
玄関のカギを開けると、音を聞きつけた遥人がこちらにやってくる所だった。


「お帰り」
「ただいま……」


顔色も悪かったみたいで、私を見た遥人が眉根を寄せる。


「食事は？　顔が青いよ」
「ちょっと車酔いで……」
「車酔い？　珍しいね」
「夕食を食べていないせいかも……」
「何か作るよ」


むかむかする胃の辺りを擦りながら食べ物のことを考えたけれど、首を横に振る。


「ううん。食べ物のことを考えたら吐きそう」
「本当は良くないけどな。薬飲む？」
「あ……胃薬、ない」
「買って来てあげたいけど、この時間じゃ店が開いてないか……」
「大丈夫。すぐに治まるわ」


水を飲み、歯を磨くと吐き気は徐々に良くなっている。


シャワーを浴び終えた頃にはあれほど気持ち悪かったのが嘘みたいに治まっている。

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