スイーツな関係
「お父様、お待たせしてしまってごめんなさい」
「お前のことだ。着る服を迷ったんじゃないか?」

皺のある顔を緩ませ、私が座ると父も腰掛ける。


ズバリ当たっている。

私は母に似ているから、そこら辺のことは笑って済まされる。


「今日は特別に綺麗なのは、気のせいかな?」
「本当にキレイだと思ってくれている? お父様」
「ああ。今日の雰囲気は昔の倫子を思い出す」


倫子とは母のこと。

離婚しているのに、いまだに父は母を好きなよう。
離婚の原因は父の浮気。
本当に母を愛していたなら、浮気しないはず。
今さらだけど、母は父に未練はないよう。
父の浮気性が無ければ、私にとって理想の男性だ。


< 7 / 512 >

この作品をシェア

pagetop