スイーツな関係
父と最近の出来事を話していても、気になるのは厨房の出入口だと思われる方向。


アペティリフはシェリーをチョイスし、アミューズから始まりメイン料理が真っ白なテーブルクロスのテーブルに並べられていく。


真鯛とポロ葱のメインは今まで食べたフレンチの中でも最高に美味しいと感じられた。


これは彼が作っているかしら?


「麗香、食事に誘ったのは何か魂胆があるんじゃないか?」


フロマージュ――
チーズの盛り合わせが出て来た時、父が上機嫌に聞いてきた。


「お父様にはかなわないわ。そうよ。ここのシェフの谷本遥人さんを紹介してほしいの」


エルメスのバーキンか、はたまたお小遣いをねだられるのかと考えていたらしい父の目が驚いたように見開かれた。


< 8 / 512 >

この作品をシェア

pagetop