君の為に放つボール

「オレな、脳腫瘍やねん。せやから、おまえとは付き合えへん。・・・ごめんな・・・。」




もうすぐ11月も終わるという頃。

あたしは蓮也に、自分の思いを伝えた。

告げられた「脳腫瘍」という言葉が、頭の中でガンガン響いてた。

なんとなく気付いてたけど、やっぱり現実は受け入れ難くて。

それだけでも辛かったのに・・・。


「でも、俺も凛のこと嫌いやないで。」


なんて中途半端なことまで言われたあたしは、その日の夜泣き続けた。

あたしはどうすればいいの?

このまま好きでいていいの?

「嫌いじゃない」って何?

ひたすら心の中で自分に問いかけたけど、答えはでてこない。


一睡もしないまま、夜が明けた・・・


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