好きなんて言ってあげない。




『ねー、新と珠奈ちゃんってさあー、』




(あ…、)



あたしは新から視線を外して、先ほどから何者か気になっていたチャラ男さんを見た。




軽そうな動きの、彼の口をふさぎたかったけれど。




あたしがそんなことをできる訳もなく、彼は平然と新に問うた。




『もしかしてつき合ってんの?』




ズン、と心が重くなる。




耳を塞いで、新が発するいつも通りの答えを遮りたくなった。




やめてよ。
お願いだから
何も言わないで。




そんなあたしの胸の内を、ホントは新だって知ってるくせに。





『いや、つき合ってないよ』




< 10 / 18 >

この作品をシェア

pagetop