好きなんて言ってあげない。
『ねー、新と珠奈ちゃんってさあー、』
(あ…、)
あたしは新から視線を外して、先ほどから何者か気になっていたチャラ男さんを見た。
軽そうな動きの、彼の口をふさぎたかったけれど。
あたしがそんなことをできる訳もなく、彼は平然と新に問うた。
『もしかしてつき合ってんの?』
ズン、と心が重くなる。
耳を塞いで、新が発するいつも通りの答えを遮りたくなった。
やめてよ。
お願いだから
何も言わないで。
そんなあたしの胸の内を、ホントは新だって知ってるくせに。
『いや、つき合ってないよ』