[超短編]父より娘へ



隣の娘が扉を見つめたまま、口を開いた。




「お父さん

私を貴方の娘にしてくれて有難う。

愛してくれて有難う










……こんな日じゃなきゃ、言えないから。」






そう言って、へへへっと笑う姿を何度見ただろう。


悪戯を見つかった子供のような笑顔を。













すっと、娘の視線が私を捉えた。

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