結婚3年目の夢の実現と現実(改)
  女性の先輩から「冷蔵庫におススメのポッキーあるから」と言われ、私が食べたのが、メンズポッキーだった。

「メンズポッキーは細くて美味しいよっていう意味で買ってきたんだと思いました!」

と、私は焦って言い張り、笑う吉永の隣で先輩は、

「違うよ! 私が言いたかったのは、フランのこと!」

 と、困った顔を見せた。

「メンズポッキーは僕のです」

 吉永は笑顔で答えた。

「すみません、吉永さん、私、明日買い直してきます」

「いいですよ、別に」

 吉永は、別に何も気にしていないように仕事に戻った。

 それが、始まりだったと思う。

 それから、先輩や後輩を交えて、何度も食事やカラオケに行った。それと同じ回数くらい、私は40近い上司と何度も寝て、結婚に踏み切った。

 子供はすぐにでき、育児休暇に入り、会社も1年数か月たっぷり休んで復帰した。

 その時から私はパート社員になり、吉永との距離は一層開いた。

 そして、更に開いた理由がある。

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