闇
「ええ、まあ……」
ぼかすように返事すると、岩原が、
「俺は今の時期に衆議院の解散・総選挙は相応しくないと思ってる。こんなタイミングで解散したら国民が迷惑するだろうからだ。そういったことは承知の上で政治家として活動してる。分かるな?」
と訊いてくる。
「はい」
答えようがなかった。
端的に一言そう返すしか。
ずっとハンドルを握り続ける。
永田町方面へと車を出す。
東京の街は雑多だ。
いろんなものがひしめき合っている。
永田町や霞が関のある千代田区は割と整っているのだが、都内全般は絶えず人が行き交
ぼかすように返事すると、岩原が、
「俺は今の時期に衆議院の解散・総選挙は相応しくないと思ってる。こんなタイミングで解散したら国民が迷惑するだろうからだ。そういったことは承知の上で政治家として活動してる。分かるな?」
と訊いてくる。
「はい」
答えようがなかった。
端的に一言そう返すしか。
ずっとハンドルを握り続ける。
永田町方面へと車を出す。
東京の街は雑多だ。
いろんなものがひしめき合っている。
永田町や霞が関のある千代田区は割と整っているのだが、都内全般は絶えず人が行き交