岩原も国民生活連合の代表である前に、一議員として参加していた。

 
 永田町は微妙な情勢である。


 川浪が解散カードを握っていても、そう簡単に解散することはありえない。


 衆議院の解散というのは、総選挙が実施されることを意味するからである。


 いくら何でもこんな冷え込む季節に解散して、選挙戦に臨むなど、常識じゃ考えられない。


 俺も訝しんでいた。


 やるべきことはいくらでもあるだろうと。


 新民党政権も結局は期待外れだったかもしれないが、社自党も何かに付けて反対ばかりに回るので同罪だと思う。


 俺も岩原の胸中を探るようにしていた。


「堀原」


「はい」


「君は俺の心の内が分かるか?」
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