第46章
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 二月に入ると、都内は気温が上がったり、下がったりしていた。


 おまけに晴れたり曇ったりで、天気が変わる。


 俺も藤井を車に乗せて、ずっと送迎していた。


 国会議員も大変な仕事だと、改めて分かるのだ。


 衆参でも予算委員会などが開かれていて、衆議院では藤井が質疑をすることもある。


 稀にカーラジオなどで待ち時間、審議の模様を聞いていた。


 与野党とも体たらくである。


 総理の福原も、他の閣僚たちも官僚の作った答弁書を棒読みしているだけだ。


 政治家でもよく政策を勉強している人間と、そうじゃない人間とに分かれる。


 もっと骨のある人間に出てきてほしい。


 そう思っていた。


 藤井は質疑が終わると、すぐに国会を出て、俺の待っている車へと戻ってくる。
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