そばにいたい。
「30分後にでる。それまでに準備しとけよ」
なにも言わず、頭を下げた拓真の頭を、また龍が撫でる。
龍はだまって音楽準備室に足を進める。
朔も拓真の頭を撫でて歩き始める。
あ、なんかそれ、かっこいい。
私もしよーっと!
拓真の柔らかい髪の毛をわしゃわしゃっとして朔の後ろに続く。
私の考えに気づいたのか、瑠衣がにやにやしながら拓真の髪の毛を乱暴に乱す。
「うわぁー!!ちょっ!瑠衣さん!や、やめてくださいよ~!」
それをきいて大きな声で笑う瑠衣と、周りの子達。