絶対にみちゃダメ!
 あたしは部屋に入るなり、靴を脱ぎ捨て、大きなベッドにつっぷした。

 ふかふかのお布団に、裾にフリルのついた白いシーツ。

 ベッドには天蓋がついていて、物語のお姫様のベッドみたいだ。



 部屋はかなり広くて、向かい合わせの両端にベッドが置いてある。

 大きな白い机が置いてあって、その脇にやっぱり白い大きなローチェストやクローゼットがあった。

 左右対称のつくりになっている。

 ちょうど真ん中の部分にカーテンが寄せてあって、引いたらプライバシーも守れそうだった。

 家具全部にバラの飾りの彫りが施してあって、一つ一つ見ても贅沢なかんじだ。

 床は赤い短毛の絨毯。

 バスルームもトイレも、こちらは二人で共用だけどちゃんとついていた。

 靴のまま動き回っていいらしいけど、落ち着かない。

 やっぱり部屋の中は裸足がいい。

 雅はスリッパを用意していた。

 あたしも買っておいたほうがよさそうだ。

 絨毯の上とはいえ、さすがに土足で歩くところを裸足で歩くのは気が引けるから。

 今まで済んでいたボロアパートのささくれ立った畳が早速恋しくなった。





 雅はさすがに1年も通っているせいか、慣れた様子だった。

 向かいのベッドに腰掛けて、あたしの方を見て笑っている。

「小町、制服が皺になるよ?」

「ん~。疲れちゃったよー」

 あたしは枕に顔を押し付けてぼやいた。

 このまま寝ちゃいたいぐらいだった。

 実は昨日、興奮してあんまり眠れなかったんだ。

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