†魔界戦記†〜解体真書〜
今日は僕の誕生日
祝ってくれる人なんて
誰もいないけど・・・。
「なぁ、今日は
遊びに行くか?」
え?
僕は外を歩くのが嫌いだ。
クラスの人に
会うのが・・・
僕には恐ろしい。
殴られるのがじゃない。
初めてできた友達に
愛想を尽かされるのが
死ぬほど怖かった。
「ぼ、僕は・・・」
「ほら、行くぞ!!」
そう言って無理矢理
僕の手を引っ張っていく。
「うわぁ・・・」
初めて見る世界。
いつもと同じ風景なのに
違う所にいるみたいだ。
「こっちこっち」
いろんなトコ
知ってるな・・・。
やっぱり
通い慣れてる人は
違うよね、と
僕は素直に感心した。
「これ、何か分かるか?」
それは、なんと
新しいスカーフだった。
いつも僕は左腕に
スカーフを巻いている。
鼻血を拭くために
タオルを持っていくと
取られてしまうが
これだと絶対に
取られないからだ。
「お前の誕生日だろ?」
なんでそれを・・・
聞き返す前に
ばぁちゃんに聞いた
と返されてしまった。
僕は、僕は・・・
涙腺ゆるいな。
また泣き出しそうだ。
しかし幸せは
長くは続かなかった。