死蜂
狂乱の如く降り注いだ日差しも夜の帳に成り代わる。

夕食の後、美晴は夕涼みがてら、別荘のバルコニーに出ているらしい。

(恭平君は…どこに行ったのかしら…)

別荘の中を歩き回って恭平の姿を探す葵。

金持ちの屋敷というのは、どうしてこうも無駄に部屋数が多いのだろう。

使われていない部屋もあったりして、下手をすれば迷ってしまいそうだった。

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