死蜂
羽音。

引き摺るような足音。

どちらも戦慄させるには十分だった。

人間を屍に変える蜂が、その屍と化した人間が、恭平と美晴を追いかけてくる!

「どうしてっ!どうしてこんな事にっ!」

泣きじゃくりながら、今にも転びそうな足取りで走る美晴。

恭平は何も言わない。

その疑問に答えてやる事は出来ない。

恭平にだって分からない。

昼までは、さっきまでは、楽しい仲間内でのバカンスだった筈なのに!

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