スイートスキャンダル
柊君が検査薬を買って来た事にとても驚いたけど、それが有紀の指示だって事はすぐにわかった。


彼女の事だから、あたしが買わないとでも思ったのだろう。


残念ながら、今回は有紀の予想が外れたけど…


もし柊君がこの事を知らなかったら、あたしはきっと今日は検査薬を使わなかったに違いない。


「あたしも買って来たのよ……」


微苦笑を零しながらバッグから検査薬を出せば、彼は目を見開いた後で小さく笑った。


「検査が済んだら結果は見ずに、すぐに戻って来て。結果を見る時は傍にいたいから」


「うん、わかった」


トイレまで付いて来ようとした柊君を何とかリビングに留め、彼と触れるだけのキスを交わしてからリビングを出た。


< 190 / 200 >

この作品をシェア

pagetop