あぁ・・・うちな

でも、なんでかわからへんけど、嬉し涙が止まらへんかった。



「さてと。この辺で進路の話でもしておくか?」


きっとこれも先生の優しさからの言葉。



うちのことを気遣ってくれて、優しい言葉をくれる先生。


『いえ、今日はもう帰ります。』



「そうか。じゃぁ、その顔をあいつに見せないように洗ってから帰るんだぞ?」


あいつ?て、もしかして先生にはわかってるんかな。

この後、うちがあの場所へ行くこと。


「俺も仕事して帰ろうか。」


窓の外を見ながら誰かを見つめているような眼差しで、呟く先生。


そんな先生の肩を叩いて紙を渡す。


「お、行くか。」


コクンと頷いて、軽くお辞儀をする。



「じゃぁ、また明日な。」



そして、うちはその部屋から出た。

それから向かう、あの場所へ。



どんな顔して会ったらえぇのか、正直わからへん。


でも、昨日あのまま帰ってもうた勝利のことが気になる。



どうしてこんなにも、うちは勝利のことが気になるんやろう。


ただの、友達のはずやのに。




数分後、図書館に着いたうちはそっとその扉を開けた。


図書館の中は相変わらず心地いい空間のままやった。



勝利、今日も来てるかな・・・。



来てる、よね?


< 47 / 114 >

この作品をシェア

pagetop