幽霊な君。
思ったより田舎にあったおばあちゃんの家は
なんて言うか懐かしかった。


来たことあるような……?



俺は今にも壊れそうな木の門を押して
玄関に立った。

インターホンのない玄関で
出来るだけ声を張り上げてみる。


「すみませーん!」

鳥の鳴き声と蝉の鳴き声と一緒に
俺の声が響く。



「はーい。」

中から若い女の人の声が
聞こえてきた。

ガラガラと玄関の戸が開くと
立っていたのは、数年前に見た母とそっくりな女の人だった。



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