気合いの華
その掴んだ足じゃない方の足を蹴って転ばした。

ドン!

その後、逆に牧野先輩が馬乗りになってカズキを殴った。

「へっ!こうなっちまえばこっちのもんだろ?」

ルイは顔をガードするのに必死になっていた。

「こりゃ勝負あったな…」

片岡先輩が呟いた。

「へ?」

「ルイはガードしてるだけだろ?馬乗りになった時にガードばっかしてたんじゃ埒があかねぇ!こりゃ喧嘩馴れしてるヤツじゃねぇと無理だよ。」

俺はまたルイの方を見てみた。

確かに守ってるだけでひたすら殴られてるだけ…

「てめえ、いい加減に…」

「てめえこそくたばれ!!」

その時ルイは、牧野先輩の左手を掴んだ。

掴んだ手を脇に挟んで抑えながら、もう片方の手で胸ぐらを掴んで、自分の頭とぶつけた。

ガンッ!!


「ぐっ!いっつ~…」

牧野先輩が両手で頭を抑えながらのたうち回っていたが、ルイは倒れたままだった。

「おい、今のはヤバいだろ?」

狭川先輩が立ち上がってルイの顔を見たら、気絶している。

「あのバカ!牧野以上に床に挟まれてるルイの方がダメージでかいに決まってんだろ?」

みんな立ち上がってルイが気絶してるのを確認して、牧野先輩の方を見たが、今も頭を抑えながら痛そうにしている。
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