気合いの華
「おい、牧野!!」

片岡先輩が呼んだが、反応がなくのたうち回っていた。

「これ…どっちの勝ちなんすか?」

「ん~…どっちかってゆーと意識あるから牧野になるんじゃない?」

「そっかぁ…」

でも頑張ったルイを俺は暖かく受け入れた。

「ルイ…大丈夫?」

「ん…つ~!!」

起きたと思ったら頭を抑えた。

「俺は…負けたのか?」

ルイを頭を抑えながら誰にでもなく聞いた。

「今起き上がれるか?」

ルイは上半身を起こした。

「ルイ…後ろ見てみ?」

片岡先輩が指差した方向を見る。

「あ!そうかあん時…」

「こりゃ引き分けだな♪牧野は意識あんのかよくわかんねぇしよ?」

牧野先輩は頭を抑えたまま唸っている。

「引き分け…か…」

ルイが起き上がって、牧野先輩の所まで行って、馬乗りになった。

「バカ!もうやめろ!?」

「やんねぇよ?」

ルイが笑いながら牧野先輩の動きを止めて両手を外して頭を見た。

「ゲッ!額からスゲー血ぃ出てんぞ?」

ルイがみんなに言ったが、俺もみんなも爆笑した。

「ルイ、おめぇもひでーぐらい額から血ぃ出てんぞ?」

「ま、マジ?…っ!!」

ルイは額を腕で拭いたら、激痛で頭を抑えた。

「いってーーー!!」

「おせぇよ!?」

みんな爆笑していた。
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