夜明け前


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「美咲先生、朔乃くんと珠花ちゃん、大丈夫でしょうか…」


「わからない。今から家に行ってみる。必ず連絡するわ。佐倉さん」


「はい、待ってます。行ってらっしゃい」


「えぇ、行ってきます」


―二人の学校から連絡が来たのは少し前。


『本城朔乃くんと珠花さんが登校していなくて、電話も繋がりません』


そう連絡が来た。


清風が亡くなる前、二人の引き取り手が決まるまで、私が保護者代理をすると約束した。


なのに仕事が忙しいとゆう理由で、最近会いに行けていなかった。


―親代わり?私はなにをしていたの。


大切な家族を亡くしたばかりで、まだまだ保護が必死なのに。


うかつだった自分に腹が立った。


「…っ、奏音さんに連絡」


いくら親代わりと言っても私は他人で、家族がいるなら家族がそばにいる方がいい。


―二人になにもないことを祈って、車を走らせた。


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