わたるんといっしょ


「渉くんに、心配かけさせないよう、着替えてくるべきだったなぁって」


いくら決められた制服でも、今は授業中というわけでもない。


これから学校に行くわけでもないし、生徒が学校の規律から解放されるこの時間にまで、制服を着ている自分がおかしいのだ。


下手をすれば、警察かなんかに声をかけられる。学生が夜に出回ってと、注意ぐらい入れられるだろう。


寒くはないからこそ、好美はこうして制服のままにせよ、一度家に帰ったならば、着替えれば良かったのに。


「あれ……」


――家に、帰った?


「……」


そうだ、そもそも、どうして。


「私、何をしているんだっけ?」


過程が思い出せないからこそ、結果に困惑する。


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