わたるんといっしょ
「十代でアルツハイマーになる方は、非常に稀なケースみたいですよ」
その外界の呼び水で、はっと意識が戻る。
「え、なに?」
目を見開くようにして、隣にいた“人”を見れば――携帯電話を取り出していた。
「知り合いにお医者さんがいるんで、アルツハイマーのこと聞いてみたら、十代でなる方は希有でしかないそうです。
若年性とは言いますが、あれも、もっぱら、30代~40代だとか」
「渉くん?」
「はい?」
「う、ううん、何でもない。そっか、アルツハイマーは十代で……」
ならないと知っても、“なぜ渉がこんな話をするのか疑問に思った”。
「……。好美さん、僕のこと、分かりますか?」
「え、分かるけど」
「じゃあ、どうしてここにいるのかは、“聞きましたか”?」