二つの空
恋人
数日後の朝―…

私と篤史が付き合ったことが、

最近から噂になっている。

私の予想だが、

私の様な、暴力を振る様にみえる人が

彼氏なんてできたのは、珍しい・

あるいは、驚き、というものがあるのだろう。


私は、篤史には、きちんと、

『私の学校では、私は怪力女と
 想像されているの』

と、前から言っていた。

だから、篤史の前で、

『怪力女の彼氏とか、最悪じゃないっすか?』

なんて、言ってる男子に、篤史は、言い返してくれる。

私は、凄く嬉しかった。

篤史は、彼女の嫌がらせの言葉を聞いても、

ちっとも相手にしない。

それが、私への優しさであることを、

私はわかっていた。

例え、それがちがくても、

そう思えるだけで、私は幸せなんだよ。


けれど、私は、甘い想像をしていた。

そう。この幸せは、いつまでも続くと―…

それは、全く違かった。

それに気付くのは、まだ、先のことだった。

今は、そんな予想は、信じない。

だって、不幸を想像して、願うより、

幸せを想像して、願う方が、いいでしょ?



お昼休み、メールが来た。

いきなりなんだけど、俺ん家に来ないか?

そう、メールが来た。

私は、嬉しくて、たまらなくて、

すぐに返事をした。

それは、今まで、使わなかったくらいのスピードで、

カチカチと…

私、こんなに幸せな思いをして、

こんなに嬉しいことなんてなかった。

篤史にあえて、嬉しかった。

そう、いつまでも思ってるよ。



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