時をこえたアタシの武勇伝。
序章ってやつ。
「番長ー、宿題写させてくれよー」
「だが断る」

アタシは即答した。
アタシもやってないんだから
写すもなにもない(・ω・;)

アタシのあだ名は番長。
別に暴力ふるってなんかいないけど
強気な性格からなのか
高校に入学していつの間にか
そんな風に呼ばれるようになった。
本名の時任一華なんて原型ない。
みんなアタシの名前覚えてんのかな?

特技はとくにない。
そんな美人ってほどでもない。
髪は肩につくかつかないかの
ややボーイッシュなショートヘア。
少し男気全開気味なのは兄弟に
兄貴と弟がいるから。

勉強は世界で1番嫌い。
体動かすのは好き。
運動神経は普通だけど…

クラスに1人はいそうな普通の子。


「おーい、席につけー」

学校のチャイムがなる。
夏休み明け、久々に聞く音。

先生の号令でフラフラ
遊んでた奴らも席につく。
今から2学期はじめの数学の授業だ。

頭の良さそうな顔してる
委員長が号令をかけて授業が始まった。
正直数学なんて知ったこっちゃない。
シーターだのデルタだのRPGかなんかの
アイテムにしか聞こえない。

「じゃあ早速宿題集めるぞー、
やってないなんてヤツ
いるわけないよな?」

熊みたいな先生がギロリと教室を見回す。
そんな中アタシと目があった。

まずい、
どうやら伝わってしまったようだ(^ω^)

「先生ー、やったと思ってたんですけど
夢の中だったみたいです」

どっとクラスに笑いがおこる。

なんだよ、他にもやってないヤツいるだろ?

「明日必ず持ってきなさい」

先生が眉間に手をやりながら
釘をさした。
明日までか、辛いな。

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