【完】となりの俺様幼なじみ



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タクシーに揺られること40分が過ぎようとしていた。




今は、1分でも1秒でも早く着きたい気持ちでいっぱい。




だんだんと、お母さんのオフィスが近づいてくる。




「3560円になります。」



運転手さんにそう言われ、あたしは急いでお金を渡した。




ダッシュでオフィスの入り口まで向かった。




「あ、杏奈様、お待ちしておりました。本当にこのようなことをお頼みして申し訳ございません。」




ロビーでは谷崎さんがもうすでに待ち構えてくださっていて、あたしは持ってきた封筒を渡した。



「いえいえ、母の仕事ですから。」



お母さん不在の時は娘もしっかり働かなくちゃいけない。

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