意地悪なアイツ【完】



家を出ると俺は一度も止まらず
川へと足を走らせた。


外はまだ真っ暗で
月の光と街灯の明かりしかない…


そんななか川へつくと

芝生の上に座り月明かりに照らされ、
じっと一点だけを見つめている健人を俺は見つけた。


俺は何も喋りかけず
そっと健人の隣へと座る…



「ごめんな、こんな時間に…」

『大丈夫だ。気にすんなよ』



そう言葉を交わすと
また遠くの方を見続ける健人。


そんな健人を見て俺から何も聞けず
ただただ隣に座っている事しかできなかった。


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