意地悪なアイツ【完】



しばらくすると健人は空を見上げ、
俺に語りかけた。



「あ~ぁ、なんでなんだろうな…

あんなに幸せだったのに

こんな風になるなんて思ってもいなかったよ…


やっぱり今までしてきた事のツケが
回ってきたんだろーな」



幸せだった…?


こんな風…?


ツケ…?


健人は何を言っているんだ?

そう心のなかで思っていると


少し微笑みながら
いままで正面に向いていた顔を俺の方へと向ける健人。


その瞬間、俺はビックリした。

だって何があっても涙を流さないアイツが
目いっぱいに涙を溜めていたから…



「オレさ…


オレ…






唯と別れたんだ」


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