意地悪なアイツ【完】
「みなさーん!!
バスに乗ってくださーい!!」
黒い制服を着て、黄色い旗を持った
バスガイドさんが皆を誘導し始めた。
キャリーバックを運転手さんに預け、
私はバスの中へと入る
バスの中は温かくて、
冷えきった私の体を南国の島へと連れてってくれる。
私は奥から二番目の座席に座り、
その隣に健人も座った。
みんな乗ったのかバスが発進する。
前方にはバスガイドさんが立って
自己紹介やこれから行く先の説明などをしている。
窓の向こう側を見ると、
流れるように変わっていく景色
温かい太陽
こんなにのんびりする時間が久々すぎて
私はいつの間にか眠りについていた…
目を覚ましたのは、
ちょうど三時間たった頃だった
朝が早かったせいか
ずいぶん寝てしまったなぁ
そんな事を考えながら右を見ると
スヤスヤと気持ち良さそうに眠っている健人。
健人の可愛い寝顔を、
この日のために買ったカメラで撮影する。
カシャッ
撮った写真を見てニヤニヤとする私