意地悪なアイツ【完】


部屋を開けて龍が起きないようそっとドアを閉める。



スタ…スタ…スタ…

スリッパが床に擦れ、静かな廊下に音が響く。

その音が、今ここには俺しかいないんだ
と教えているみたいだ。



角を曲がると自販機が2、3台並んでいて
そしてその横には長い椅子に腰を掛けている一人の女の子がいた。



うっ…気まずい。

俺はその場から早く離れたくて
適当にジュースを選び、取り出そうとした時。


「健人…?」

んっ…聞き覚えのある声。
俺は声が聞こえた方を見た。


『唯か』

そこには頭にタオルをのせた唯がいた

少し髪が濡れていていつもと雰囲気が違う。
どこか大人っぽくて色っぽい


『まじビックリさせんなよ』

頭を掻きながら言った。


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