【完】運命は罠と共に
抱きしめて俺の腕の中にいる彼女から、あろうことか寝息が聞こえてきた。


あれ?寝てる?


「嘘だろ?俺試されてる?」


相当疲れていたのだろうか。

無理させてしまっていたのではないかと申し訳なさも感じた。


自分の腕の中で好きな女に眠られて、嬉しくて愛おしい。


その無防備な姿に邪な思いもむくむくと育ちはじめたのも、また事実。


やっと気持ちを伝えられて、そして好きだと言ってくれた。


今はそれだけで十分だと言い聞かせた。


完全に眠ってしまった金本さんをそのまま抱き上げ、寝室へ運んだ。



「勝手に入るけど許せよな」





寝室に入るとあったのはまさかのダブルベッド。


意外だったのはベッドにぬいぐるみがあったこと。


普段のクールなイメージとのギャップで更に俺の心を鷲掴みにしていった。


そっとベッドに降ろすと規則的な寝息が聞こえてきた。


彼女に布団をかけてから寝室を後にした。


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