【完】運命は罠と共に
「洋輔さん何時になるのかな?」


予定では23時すぎには来るって言ってた。


けれど、すでに23時を廻っている。


どうしたんだろうと考えていると、メールを受信したことを知らせる電子音が鳴った。




「洋輔さんだ。えっと…遅くなるから、先に寝てて…か」


ってことは、14日中には来ないってことだよね?


せっかくチョコレート用意したのに…


なんだかものすごく寂しい。





会いたい、寂しいなんて我が儘は言えないよ。


「分かった。気をつけてきてね」そう返信してしまっていた。


何でも無いふりをして、強がることしか出来なかった。


本当は一秒でも早く会いたいのに。





楽しみにしていたのは私だけなの?


そう思うと、怒りのようなものが沸いてきた。


もういいよ。でも、せめてもの抵抗をしてやる。


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