【完】運命は罠と共に
そして、後から後悔した。



せっかくのチャンスだったのに、可愛げのない態度をとってしまった。





またやってしまった。





過去に付き合ってきた男たちから言われた言葉が蘇ってきた。



「奈々に俺は必要ないよね。1人でも生きていける女だよ」



本当はもっと伝えたいことあったのに。


我慢していただけなのに。


素直に言葉に出来なかっただけなのに。


素直に態度で示せなかっただけなのに。




誰も理解してくれないなら、どうせ捨てられるなら、だったら1人で生きていこうと思っていたことを思い出した。




さっきまであんなにドキドキしていたのに、急激に感情が冷えていくことに気付いた。
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