【完】運命は罠と共に
「で、どうしたの?何かあったの?思い詰めた顔してるけど」


さっきまでとは違って真剣な表情で聞かれた。




「田中さんからね、連絡先渡された」



「え?何だやったじゃん奈々。じゃあ、何でそんな悩んでるの?」



もやもやの原因を亜美に話すことにした。



「渡された後に、また強がって可愛げの無い態度とっちゃったんだよね。そしたらさ、今まで付き合ってきた奴らのこと思い出して。みんな私が本音を晒す前に、1人でも大丈夫だよねって言って、浮気して私のこと捨てていった奴らの事。本当は色々我慢してたし、言いたいことあったのに、それを言えない私には誰一人気付いてくれないしね。そんなこと考えてたらさ、臆病になっちゃってね。もうあんな想いしたくないから」




私は正直に話した。



今の私には亜美が唯一、本音を晒せる相手だから。



多少モテる容姿だって事は理解している。

けれど嬉しいとは思わない。

本当の姿じゃない私に対する感情を抱かれても、いつかは壊れる。

そう学んできた。



そんな過去から恋に臆病になった私。



どうすればいいんだろう。

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