私を壊して そしてキスして
「お父さんには、きちんと分かってもらうから。
菜那は何も心配いらない。
柳瀬さん。頼りない親で申し訳ありません。
どうか娘を、よろしくお願いします」
そう頭を下げる母の肩が、少し震えていた。
「お母様、私はさっきお話しましたように、菜那さんの事が好きです。
だから、全力で彼女を振り向かせたいと思っています。
下心が全くないわけではありません。
だけど、決して彼女を不幸にはしません。
それだけは約束します」
そんなことまで言ってしまう翔梧さんに驚いて顔を見上げたけれど、その真剣な眼差しは、母にも届いて。
「菜那を、どうか幸せに――」
「――はい」