君がくれたもの




芹沢くんと、2人きりになると、沈黙が訪れる。

私は、いたたまれなくなってうつむく。

芹沢くんに、ジッと見つめらてる視線を感じて、顔を上げた。


「……⁉…」

芹沢くんは、真剣な表情で私を見つめている。

その薄茶色の瞳が揺れている。

瞳の中に怒りにも似た感情を感じ取り、私は驚いて芹沢くんを見た。

「せ、芹沢くん…」

すると、芹沢くんは、ハッとその表情を崩し戸惑った様に私を見ると、

「すいません。何でもありません。今日、楽しみにしています。」

と、微笑んで

「僕、もう行きます。」

と言うと部屋から出て行った。


な、なんだったの今の…
や、やだなぁ、呆れられたのかしら…





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