くだらない短編集
拒絶



■拒絶

いやだ、いやだ。心臓に冷たい液体が流れ込む。この恐怖感の原因は何だ。ただひたすらに恐ろしいのだ。息が詰まる。気を抜けば、胃の中の固形物が食道をせり上がって来そうだった。どうしようもなく不安になって、目頭が熱くなる。

いやだ。いやだ、いやなのだ。首が締め付けられる感覚に喉を手で触る。何度も、何度も。そうしていく内に、掌に力が篭もる。自らの手で、自らの首を締め付ける。目の前が一瞬の内にぼやけて、頭部が熱くなる。目の奥が引っ張られるように痛んだ。

このまま、楽になれたら良いのに。涙が頬を伝った。それでも生きていたいのだと、心臓の奥から声が聞こえた。


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