バイナリー・ハート


 蒼太がやってきて、あっという間に十日が過ぎた。
 この十日間で、ランシュと蒼太はかなり打ち解けた。

 二人でゲームをしたり、街へ出かけたり、結衣には意味の分からない機械の話で盛り上がったりしていた。

 結衣の定休日には、三人で飛空挺を見に行ったりもした。

 結衣はラフルールから出た事がないので、飛空挺に乗った事はない。
 ランシュも乗った事がないと言った。

 時間的には余裕があったので、乗る事は可能だったが、ランシュはカードが使えないので乗れない。
 飛空挺に乗るには、一人ずつカードの提示が必要なのだ。

 今度みんなで一緒に乗ろうと約束した。

 蒼太と一緒にいるランシュは、結衣と二人きりでいた時よりも生き生きしている。

 本人はそんな素振りを見せないが、結衣といる時は気を遣っていたのだろう。

 慰めてくれたり、色々手伝ってくれたりしていた事でも、それは窺える。

 ランシュの変化をロイドに話したいのに、彼は相変わらず、連日帰りが遅い。
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