バイナリー・ハート
「理由は話せないが、ランシュは身を隠さなければならない。店を手伝ってもらうのはかまわないが、あまり表には出すな。これから少しばかり変装してもらうが、夕方以降の外出は禁止だ。いいな」

「うん」
「はい」


 ユイとランシュは、同時に笑顔で返事をする。
 素直に返事はしたものの、この二人はどちらもロイドのいう事を聞かない。

 本当に言う通りにするかどうかは怪しいが、とりあえず信用するしかない。

 ロイドはひとつ嘆息して、ユイに頼んだ。


「オレは局に戻らなければならない。ランシュの髪を染めてやってくれ。色白で目がブルーだから、濃いめの金髪が無難だろう。街で染料を買ってこい」


 ロイドの言葉にユイは嬉しそうに笑った。


「あなたとお揃いね」
「う……」


 言われてみれば、そうだ。
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