騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~



「さ、幸さん!?」


振りかえると、いつもと変わらない笑顔の幸さんがいた。


わたしはこんなに落ち込んでいるというのに、幸さんときたら。


こんなにのほほんと。




「なーに、そんな暗い顔してんのよ」

「だって、成果見られなかったじゃないですか……」



シュンとしているわたしと、何故か笑顔の幸さん。

対照的なわたしたちだ。




「まだ始まったばかりじゃない。勝負はこれからよ!」


拳を握った幸さんが力強く言った。




「それでも、今日は20%オフだったのに……」

「確かにセール中は売上上がるけど、今回は例外ね」

「どうしてでしょうかね……」



お客様は入るのに、手に取るだけで購入はしない。


これは一体どうしたものか。






< 119 / 519 >

この作品をシェア

pagetop