騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
「さ、幸さん!?」
振りかえると、いつもと変わらない笑顔の幸さんがいた。
わたしはこんなに落ち込んでいるというのに、幸さんときたら。
こんなにのほほんと。
「なーに、そんな暗い顔してんのよ」
「だって、成果見られなかったじゃないですか……」
シュンとしているわたしと、何故か笑顔の幸さん。
対照的なわたしたちだ。
「まだ始まったばかりじゃない。勝負はこれからよ!」
拳を握った幸さんが力強く言った。
「それでも、今日は20%オフだったのに……」
「確かにセール中は売上上がるけど、今回は例外ね」
「どうしてでしょうかね……」
お客様は入るのに、手に取るだけで購入はしない。
これは一体どうしたものか。