騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
「今日、日中はかなりの暑さになるらしいよ、秀ちゃん」
間もなく厳しい夏に突入しようという時で、
電車の中もクーラーがガンガンきくようになった。
わたしも扇子を常備していて、暑さ対策も万全になっていた。
「うん……そっか……ふわぁ……」
「……まだ眠そうだね。仕事中、寝ないでよ」
「それは大丈夫……会社着く頃には目覚めるから」
本当かなぁと疑いの眼差しを送った。
確かに毎回、仕事始まる前には目が覚めてるみたいだけど。
いつか仕事中も寝ちゃうんじゃないかって、不安なのよねぇ。
「やっぱりあんたたちは一緒じゃないとねぇ」
間もなく会社に到着するという時だった。
ふとどこからか、よく知っている声が聞こえてきたのは。
「あっ、春菜じゃない。朝会うの久しぶりね」
「最近は夜会ってばかりだったからね……ふふっ」