騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
「寂しい?」
意地悪な笑みを浮かべた秀ちゃんが、こう聞いてきた。
「さ、寂しくなんてないわよ!うるさいのがいなくなって、せいせいするんだから!」
そうよ、そうよ。
ジョンなんてうるさいし、騒がしいし。
「ふーん」
何やら疑いの目を向けてくる秀ちゃん。
「なんか妬けるんだけど」
そう言って、スタスタ前を歩いて行ってしまった。
「えっ!?ちょっ、しゅ、秀ちゃん!?」
秀ちゃん、妬けるって……
相変わらずヤキモチやきなんだ。
秀ちゃんの後姿を見て小さく笑った後、その背中を追いかけた。
わたしと秀ちゃんがまた付き合い始めてから……
こうして色々なことが変わろうとしていた。